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卵リン脂質による脂肪肝・肥満の改善作用


■目 的
本研究では卵黄リン脂質の摂取が脂肪肝の改善・予防および生体脂質過酸化に及ぼす影響について検討した。
■方 法
Wistar系雄ラットにAIN93G組成に準じた対照食 (対照TAG食) または対照食脂質の一部を卵リン脂質に置換したリン脂質含有試験食 (リン脂質食) を10日間与えた。両群の脂肪酸組成は同一に調整した。なお、両食事には脂肪肝を誘起することが知られているオロチン酸 (1%) を添加した。オロチン酸を添加しないTAG群も比較のために設けた。
■結果と考察
オロチン酸により顕著な肝重量の増加と肝臓脂質量の増加が認められ、典型的な脂肪肝を惹起した。本脂肪肝モデルに対する食餌脂質の影響を比較した結果、対照TAG群と比べ、リン脂質食群では肝臓トリグリセリド量は有意に低下し、脂肪肝の予防効果が認められた。
その機序を知る目的で、肝臓脂肪酸合成酵素、分解酵素およびトリグリセリド合成酵素活性に及ぼす影響を測定した結果、リン脂質群では脂肪酸β-酸化酵素が高値となり、一方、脂肪酸合成系酵素(FAS、リンゴ酸酵素、G6PDH) 活性は著しい低値を示した。トリグリセリド合成のカギ酵素であるホスファチジン酸ホスファアターゼ活性はリン脂質群で低下した。したがって、食餌リン脂質は肝臓脂質合成を抑制し、分解を亢進することによりオロチン酸誘発脂肪肝を予防・改善することが明らかになった。
生体過酸化物は種々の疾患の引き金になることが知られているので、食餌リン脂質が本脂肪肝モデルで生体過酸化に及ぼす影響について検討した。生体過酸化の指標として、血清TBA値 (脂肪酸過酸化生成物) を用いて比較した結果、リン脂質群では血清TBA値は有意に低下することが認められ、食餌リン脂質による生体脂質過酸化の予防効果が示された。
■結 論
卵由来リン脂質は脂肪肝の予防・改善作用と生体脂質過酸化の予防作用をもつことを見いだした。


    2008-01-22