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肝炎家族の会が支援活動に奮闘 患者3人が追加提訴へ


カルテがなくても救済される-。薬害C型肝炎患者の全員救済を図る特別措置法だが、血液製剤の投与を証明する当時のカルテがなく、給付金の受給をあきらめている患者が少なくない。そんな誤解を取り除こうと、NPO法人「肝炎家族の会」(大阪市)が今春から、「医師の投薬証明書があれば救済される」と患者の支援活動を始めた。ときには患者と病院に同行し、医師との“交渉役”も担う。こうした支援を受けた患者3人が近く大阪地裁に追加提訴する。

 「この書類で給付金が受けられる」。家族の会理事長の森上操さん(60)=大阪市=は、薬害肝炎患者の妻、悦子さん(58)が平成16年3月に大阪地裁に提訴する前、医師と粘り強く交渉した末に発行してもらった血液製剤の投薬証明書を手に力説する。

 特別措置法は、給付金の受給には血液製剤の投与を証明する資料が必要とし、カルテや母子手帳、処方箋(せん)のような「投与当時に作成された医療記録」のほか、「カルテなどと同等の証明力を有する証拠」と規定している。投薬証明書はこの「同等」証拠に該当し、当時の医師さえ特定できれば現在でも作成できる資料だ。

 しかし、特別措置法の内容が周知されておらず、これまでに家族の会に寄せられた相談では、カルテが残っていないために救済対象に入らない-と思い込んでいる患者が少なくない。また、患者が医師に投薬証明書の作成・署名を依頼しても、医師から「記憶にない」などと拒否されるケースも多いという。

 このため森上さんは、家族の会がNPO法人の認証を受けた今春以降、本格的な患者の相談・支援活動に乗り出した。

 カルテがなくても投薬証明書があれば、救済される可能性があることを説明し、必要なら患者と一緒に医療機関に足を運んで医師と直接面談する。悦子さんのケースで奔走した自らの経験を生かし、不慣れな患者に代わって、手術前後の経緯や急激な肝機能の悪化など、血液製剤の投与がうかがえる客観的な状況や症例を説明。投薬証明書の作成・署名に向けて交渉する役割も担う。

 実際、森上さんが面談に同行した兵庫県の60代男性が投薬証明書の取得に成功。この男性に大阪府と島根県の50代女性を加えた3人が、近く大阪地裁に追加提訴を予定している。

 森上さんによると、血液製剤のフィブリノゲン投与のピークといわれる昭和40~50年代、納入実績のある病院で出産時に大量出血したり、手術を受けたりした患者でC型肝炎に感染した場合、薬害の可能性が高いという。

 森上さんは「潜在的な救済対象者は多くいると思う。きちんと医師に症例などを説明すれば、投薬証明書を取得できるチャンスが広がり、救済に道が開ける。力になるので、カルテがなくてもあきらめないでほしい」と話している。

 相談は肝炎家族の会((電)06・6358・8701)へ。

 ■薬害肝炎被害者救済特別措置法 薬害C型肝炎患者の「全員一律救済」を図ることを目的に、今年1月に成立した。肝硬変や慢性肝炎など症状に合わせ、国と製薬企業が拠出して創設した基金から4000万~1200万円の給付金を支払う。血液製剤「フィブリノゲン」などの投与が証明できる資料のある患者は時期に関係なく救済対象となる。訴訟の原告になっていない患者はいったん各地裁に提訴し、裁判所から因果関係が認定されれば給付金を受ける。

Author : tokyo7788    2008-05-10