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「養生片仔癀」による肝臓疾患に対する総合的効果の検証

F Marotta Y Rahman-Shield E Minelli A Helmy P Safran 原田雅義(東明会原田病院)

2002/11/14~15

日本肝臓学会・シングル・トピック・コンフェレンス(優秀賞受賞)/山梨

概要:

患者については2~3ヶ月毎に生化学的、臨床的検査を詳細に行った。
全患者のGPTは正常値まで低下した。5患者については1年後、6番目の患者については18ヶ月後に再度肝生検を行ったが、線維化および炎症性浸潤に有意(p<0.05)な改善が見られた。

「慢性肝疾患において効果的な抗線維化作用をもつ新規薬草療法剤YHK:統合的薬剤開発の成功を目的とした予備的臨床研究」

慢性肝疾患(CLD)は世界的に見て死亡率および罹患率の主要な原因の一つである。 本疾患に関連した治療法は多くの場合、技術的にむずかしく、経費がかかり、有効性に限度があるところから、標準治療法に対して補助的なものであるか、代替的なものであるかを問わず、しばしば他の治療法が求められる。 しかしながら、そうした非標準的治療法では多くの場合厳密な科学的基盤をもつ研究がなされていないため偏見を抱かせることになる。 我々は最近、新規天然物、すなわちYHK(養生片仔癀:協通事業、東京)が強力な肝臓保護作用をもつことを実験的に示し、またC型肝炎-慢性肝疾患患者でトランスアミナーゼを顕著に低下させる作用のあることを明らかにした。 本研究では、本製剤の臨床応用の可能性を更に確証することを目的とした。

C型肝炎-慢性肝疾患(病歴2~18年)患者6名(年令55~69)を本研究の対象とした。 インターフェロン6ヶ月投与の治験を終了したばかりの1例を除き、全患者はUDCA(ウルソ)とグリチルリチン酸療法を受けているにも拘らず、トランスアミナーゼレベルが2から4倍の高値を示した。 患者は肝生検を受け、検体は盲検法によって検査し、丸山式分類法に則って再評価した。 患者はそれまでの治療を全て中止し、いずれの健康あるいはビタミンサプルメントも摂取しないこととした。 次いでYHK1日3回4錠ずつを10日間、さらに1日3回2~3錠ずつを研究期間中を通じて摂取することとした。

患者については2~3ヶ月毎に生化学的、臨床的検査を詳細に行った。全患者が研究全期間に参加し、観察期間中、いずれも生化学的、臨床的副作用は認めなかった。 HCV-RANが高力価を示した1患者では、研究終了時にその力価が劇的に低下したが、その患者を除き、他の患者では本パラメーターは影響を受けなかった。 トランスアミナーゼレベルは全患者で最初の2週間以内に有意(p<0.01)に低下し、そのうち3名は正常領域値を示した。 全患者の GPTは正常値まで低下した。5患者については1年後、6番目の患者については18ヶ月後に再度肝生検を行ったが、線維化および炎症性浸潤に有意(p<0.05)な改善が見られた。

これらの予備的データはYHKの臨床での使用の可能性を更に支持するものであり、実験的研究とともに、より大規模な臨床研究が待たれるところである。

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