病を知る
肝臓病を知る
肝臓ガンの原因は、ウイルス性肝炎ですか?
ウイルス性肝炎は肝臓ガンの原因の一つであって、すべてではありません。慢性肝炎、合成化学物質、有害物質も肝臓ガンの誘因になります。また、別の臓器からの転移で肝臓ガンの発症にもなります。今までの常識では、C型肝炎が進むと慢性肝炎になり、やがて肝臓ガンになるといわれてきました。日本での肝臓ガンの患者さんが、C型肝炎からの発病が多かったのがその理由ですが、他のリスク因子による肝硬変や脂肪肝によるものもあり、原因はウイルス一つではありません。ウイルス性肝炎の特徴は、ウイルスに感染したからといって直ぐに肝機能が損傷されるわけではなく、潜伏期が長かったり死ぬまで発病しなかったりというケースがあることです。
ウイルス感染は、どのようにして起こるのでしょうか?
かつて、非加熱血液製剤によるB型、C型肝炎が発生したことがあります。また注射針や注射筒などを、患者ごとに清潔なものと取り替えることをしなかったためにウイルス感染を広めたこともありました。これは使い捨て針が普及した1985年以降は感染例が激減し、92年以降は、ほとんど患者が発生しなくなりました。
その他、鍼灸で使う針、若い人に格好いいからと流行っている入れ墨で使う針も感染リスクが高く、麻薬などで用いる注射針も感染源の一つになっています。昔の理髪店や美容院、歯科治療など、他人の血液が付着したままのカミソリなどの使い回しも原因になったと考えられています。
【ウイルスの感染ルート】
・A型感染:食品を通して口から感染します。
・B型感染:体液、性行為。母子感染もこのケースです。
・C型感染:輸血、血液製剤が原因です。
なぜウイルス性肝炎もGPT(ALT)値を重視するのですか?
たくさんの肝細胞が集まった肝臓は、たとえば数の子に似ています。その小さな粒の中には肝臓の働きを助けるGPT(ALT)という酵素があり、これは肝細胞の中にしかないものなので、「血液の中で検出される数値が40以下なら正常、40以上になると肝細胞を包んでいる膜が破れて炎症を起こしています」という肝臓からのメッセージになります。肝細胞は常に新陳代謝されていますので、40までなら問題はありません。肝細胞が炎症を起こす原因には、ウイルス(A型、B型、C型)を筆頭として、アルコール、治療薬、人工合成化学物質、重金属、脂肪などがあげられます。
肝細胞の炎症レベルは、GPTの数値が高くなることで分かりますが、GPTが1000から2000という高い数値を示す劇症肝炎は、肝臓全体が炎症を起こすもので、とても危険な状態です。そしてGPTが80から150くらいを行ったり来たりするのが、なかなか治りにくい慢性肝炎の特徴です。漢方養生研究所(KHL)が、長年取り組んでいる研究テーマは、破れた肝細胞はどうしたら修復できるのか、どうやって患者さんの元気を保ち、正常化に近い状況を続けられるようにするかというものです。
いろいろな抗ウイルス療法でも効かなかった場合は?
楽観的になっていいというわけではありませんが、悲観的になる必要もありません。実はウイルスに感染しても直ぐには発病しないケースがほとんどで、5年、10年、20年後に発病するか、あるいは、死ぬまで炎症を起こさない人もいます。どうしてそのようなことが起きるのでしょうか? ウイルスに感染しても発病しない人というのは、ウイルスに対する免疫力を十分に持っていることが考えられます。だんだんと年をとり、免疫力が弱まるにつれて炎症を起こし、そこで発病に至ります。ウイルスがあるのに死ぬまで発病しない人は、肝臓が元気であり、炎症を起こさない可能性を証明したということにもなります。ウイルスを消滅できれば理想的なのですが、キャリア(ウイルスを持っている人)が、なぜ発病しないのかについて、長い間、漢方養生研究所(KHL)では研究しています。KHLの研究目的は、新しい抗ウイルス剤の開発ではなく、損傷された肝細胞をどうしたら修復できるのか、その可能性を追い求めるものです。つまり、ウイルスと共存しながら、死ぬまで発病しないで生きていく可能性に期待と希望がひそんでいると考えているのです。
①ウイルスがいても、肝機能を正常に保つことが可能である。
②元気に若々しい体を維持すれば、ウイルスが暴れるのを防げる。
③万が一、ウイルスの排除に失敗しても、まだ別の方法にチャレンジする選択肢が残っている。
悲観的にならずに、前向きに取り組んでみることが重要です。


























